投資初心者に知ってほしいこと~リスクとリターン~

投資

こんにちは!ぐんじです。

今回は投資の初心者に是非知っておいてほしいリスクとリターンについてまとめていきます。過去のデータは1971年2月~2021年8月までのS&P500を用いて分析していきます。

過去データをみると年率リターンの振れ幅は大きく、標準偏差は小さい

結論からになります。S&P500の過去データを分析すると年率リターンの最大値は67.38%、最小値は▲46.68%、平均8.34%となり、一方で標準偏差(リスク)は最大値29.51%、最小値3.83%、平均13.43%となります。このことから年率リターンの振れ幅は大きく、標準偏差は小さいことがわかります。

また、年率リターンはランダムであり、傾向(リターンが増加しているときは継続して増加することや増加のあとは減少になる等)は殆どないことがわかります。

そのため、期待リターンを推定するときは単純に過去のデータを用いることでは精度が低くなってしまいます。一方で標準偏差はある程度一定の範囲を推移しているため、過去のデータを参考にして将来を推定するに一定の根拠となります。

補足

リターンに大きく変動があるのは時期により経済構成(好景気、不景気と波があることや金利水準の違い等)によりアセットのリターン特性も変化する等のことが考えられます。即ち、経済の動向により大きくリターンが異なるということです。ちなみに日本ではバブル前後を境に構造が変化したと考えられます。

そのため、リターンはビルディングブロック法やサプライサイド法を用いて推定することがよいとされています。

プロットしてみる

過去のリターンと標準偏差は正規分布になるのか見ていきます。下記のグラフは青棒が1%間隔で出現回数(<10%,16なら過去にリターンが9~10%になった回数が16回ということになります)、緑線は正規分布の理論曲線になります。

まずはリターンになります。変動幅が大きいことから裾野が広くなっています。また、理論曲線と比較して実績値(青棒)は少し右側によっていることがわかります。そのため中央値は11.44%という結果になっています。

また、気を付けないといけないことはテールリスクの事象(リーマンショックやコロナショック等)が発生した際には想定(理論)以上の損失を被ってしっています。そのため、最大の損失額は理論値を用いるよりも過去の実績(最大ドローダウン)を用いる方が適切とされています。

次に標準偏差になります。こちらは変動幅が小さいことから幅は狭く、鋭い(最大値が大きい)ことがわかります。こちらもリターンと同様に理論曲線と比較して右側によっていることがわかります。このことからも標準偏差はリターンと異なり過去のデータを用いることで将来を予測することに一定の根拠を持てるということがわかります。

まとめ

これらのことから将来を推測する際にリターンは過去のデータをそのまま用いることは少し危険であるが、標準偏差は過去のデータが一定の参考になることがわかります。

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