キャピタルゲイン・インカムゲインの増税後の変化について考えてみる①

投資

こんにちは!ワクチン2回目の接種が終わり完全体になったぐんじです。

今回は自民党総裁選に出馬予定の高市早苗氏から金融所得(配当所得と譲渡益)に税率を上げる、すなわち増税する話が出てきました。

すぐに増税となる可能性は低いと考えてますが、10年~30年のタームでみるといつ増税されてもおかしくないと考えています。そのため、仮にこのような増税が行われて場合にインデックス投資家、高配当投資家にどのような影響がでてくるのか考えてみたいと思います。

私見ですが正直なところ名寄せ後金融所得が50万円以上という決して高くない所得段階で増税となるバーを設ける点と税収増がたったの3,000億円しかならない政策を掲げることが残念ですね。(令和2年度の一般会計税収60兆円)

増税されるのかどうか

海外では…

まずは海外の情勢を見ていくとアメリカではバイデン政権後にキャピタルゲインにかかる税率の引き上げ(20%→39.6%)の話で出てきました。ただし日本との違いは富裕層向けの増税であり所得が100万ドル以上ある個人に対するキャピタルゲインの増税というもので富の再配分を目的としているものです。

また、直近ではイギリスではコロナ対策費という名目で株式にかかる税率を1.25%上乗せするという話が出てきたことからも世界的に株式関連の増税がトレンドになる可能性があります。

日本では…

次に日本を見ていきます。まずは、高市氏の発言ですが、2021年9月3日公開の月刊Hannadaプラスにて以下のような発言がありました。その後、虎ノ門ニュースにてインフレ2%を達成するまでは増税は見送る旨の発言がありました。

マイナンバーを活用して金融所得(配当所得と譲渡益)を名寄せして、50万円以上の金融所得の税率を現状の20%から30%に引き上げると、概ね3,000億円の税収増になります。2021年度(予算)の配当所得と譲渡益に係る財務省資料の数字を基に試算です。

出典:月刊Hanadaプラス【わが政権構想】日本経済強靭化計画|高市早苗

仮に増税されても令和2年度の一般会計税収60兆円に対して3,000億円と限定的な話であり、政策の肝ではないことが想像できます。(実際にインフレ率2%達成後の条件をつけため、早くてもコロナ後の経済回復したのちの話となりました。)

世界的にも増税の傾向があることに加えて、金融所得は他所得に関わらず一定であることから富裕層に有利な税制となっていることからも増税しやすい税の1つであると考えています。

以上を踏まえると短期的な増税はないにしても、10年~30年以内の増税は否定することはできないものだと考えているため、長期間の運用を考えているインデックス投資家やFIREを目指いしている投資家にとっては無視することができない問題であります。

金融所得税の増税による影響

結論からいうと高配当投資よりも税金の影響を受けにくい投資信託を用いた方が影響を最小限に抑えることができるため、投資信託を用いた投資の方がより有利になる環境へ変化する可能性があります。

理由は難しくなく税金がかかる回数の違いです。高配当の場合は配当を受け取る都度、税金が掛かってきてしまいます。そのため、税引き後の配当を再投資に回すため効率が悪くなります。一方で投資信託の場合は配当を受け取らないという選択をすることで税金の負担がなく再投資を行うことができ、税金は利益確定するときのみとなり、相対的に回数を減らすことができます。

また、信託報酬は高配当ETFの方が低いことが多いですが、金融所得税20.315%に対しては限定的であるため、信託報酬が低い高配当ETFが有利であることは言えないです。

以下で配当込みの利回り5.00%(配当利回り1.34%←直近S&P500利回り)、配当は再投資、毎年100万円の積立を30年続ける想定のもとにし、投資信託と配当受け取り後に再投資する場合のパフォーマンスの差を試算していきます。

まずは現状の税率20.315%の結果を見ていきます。

複利の効果があるので投資期間が短いときは殆ど差がなく、期間10年だと17万円程度の差になります。しかし、投資期間が長くとなると差が大きく広がり30年では288万円程度の差となります。

次に税率30.473%(高市氏政策)、40.630%(バイデン政策同等)についてみていきます。

差額は大きくなり、特に投資期間が長くなればなるほど差額も大きくなります。投資期間30年では税率30.473%では差額が447万円、税率40.630%では差額が601万円と150万円程度の差となり、無視することができない差額になります。

配当利回りが高くなると

配当利回りが高いほど増税の影響を受けると考えることができ、パフォーマンスの差が広がると想像できます。以下では配当利回りを2%とした場合の結果を確認してみます。(配当込みの利回り5.00%は固定)

予想した通り差額は広がっていることがわかります。そのため、高配当投資の方が増税の影響をうけるといえます。

まとめ

すぐの増税の可能性は低いが、長期投資を考えている場合には増税の可能性も視野に入れて投資を行う必要があります。

仮に増税になると投資信託の配当再分配を用いることがよく、高配当投資では投資を受けるごとに税金の影響を受けるため、パフォーマンスがより悪化することがわかります。

以上を踏まえると投資信託で運用する優位性がさらに上がる可能性があります。

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